
久しぶりに機材ネタです。
淡い対象を限られた時間で写しきるのに絶大な威力を発揮するRASA8”、通称?サラッパチ君ですが、いつも組み合わせるフォーサーズセンサーだと、フルサイズ換算で約800mmの画角になります。
軽くて取り回しのしやすいラサッパチ君は、シングルで撮るのもよし、ツインシステムで撮るのもよしということで、大変有用な鏡筒だと思います。
昨年はRASA8"のツインシステムで、L/C同時撮影やAOO同時撮影などで時短をはかってきましたが、筒先にカメラを取り付けるプライムフォーカス故のセッティングの難しさがあり、見た目の破壊力は強烈ですが(笑)、ツインシステムとして常用するには大変困難を極めるものでした。
遠征地でツイン鏡筒をセッティングし、2鏡筒の光軸合わせ、カメラの回転方向の同期、光条に影響が出ないように配線を取り回す等、久しぶりの出番だったりすると随分時間がかかってしまいます。
そこで、目をつけたのが兄貴分のRASA11”でした^^
8”から11”にアップし、受光センサーサイズをフォーサーズから2倍のフルサイズにすることによって、11”鏡筒1本でRASA8"ツインと同等以上の光子を受け取ることが出来るのでは無いかと思いました。
ということで、馬鹿でかい梱包の鏡筒が昨日届きました。
RASA11"を明るいところでじっくり見たことなかったのですが、改めてその巨大さにビビりました。。
口径が11”ということで、C11と同じくらいのサイズ・重量感をイメージしていたのですが、長く・そして重かったです(^^;
フロントのカメラ接続部は8”と比べると、随分大きいです。
3mm厚の塩ビシートで、ぱぱっとスパイダーを作成しました。
もう3例目になるので、要領は得ています^^
届いたその日にファーストライト!なんですが、ちょっと雲の通過が多めですね、。
フードはC11の物を流用しましたが、さらに全長が長くなり、巨大なはずのEQ8が小さく見えるくらいの錯覚を覚えます。
LED板で早速フラットを撮影したところ、予想通りの激しい周辺減光になっていました。
ε-180EDの比ではありません。
この減光状態からすると、センサーはAPS-Cまでに留めておいた方が良かったのかもしれません、。
まず、はくちょう座付近に筒を向けて星像チェックをしてみます。
右側が片ボケしていますね。。
カメラを取り外して、片側に養生テープを貼ってスケアリングを追い込んでいきます。
テープを2枚重ねにしたところ、ようやくまともな星像が得られるようになってきました。
フルサイズ最周辺でこの星像なら、実用上問題なさそうです。
昨夜は月明かりが強烈で、光害カットフィルター無しでは10秒で飽和してしまう勢いです。
流石に11”は早いです。
セミナローバンドのCLSーCCDを入れて、120秒露光で曇るまで撮影してみました。
2020/9/28 ケフェウス座 IC1396付近
光害指数 : 兵庫県西宮市 自宅 SQM18.39 標高13m
架台:EQ8R APTにて撮影
ガイド:QHY 5LM2 +75mm PHD2ガイド
撮影鏡筒:RASA11" FL620mm F2.2
撮影カメラ:ASI 2400MC PRO (冷却-10℃)
フィルター:OPTOLONG CLS-CCD
露出:gain158 120s x 68 (総露光時間 136分)
LED Flat x30 Dark x15 Bias x100
ステライメージ8にてコンポジット FAPにて対数現像 PSCCにて強調処理
ワケありモノクロです(^^;
星像は周辺まで実用レベルになったと思います。
問題はフラットフレームです。
LED板でフラットを撮影しましたが、、
光害ムラも激しく入り混じって、補正できません。
久しぶりにこんな激しいフラットエラーに遭遇しました笑
そうだった!RASAは光害地で(カラーで)使ってはイケナイ鏡筒だったんです。。
モノクロがファーストライトでは味気ないので、八塔寺にてFSQで撮影した画像をRGBとして、LRGB合成しました。
周辺減光がこんなに凄いと、毎回フラットに気を使いそうだなぁ。
C11と並べてみても、乱暴なくらい重くて長いです(笑)
次回、この馬鹿でかい鏡筒を、気合を入れて遠征に持ち込んでみようと思います^^
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